地域の絆を紡ぎ直し、持続可能な商店街へ

IT支援や人材育成に関する企画・設計・運営、デザイン思考を活用したコンサルティングを展開する株式会社U‐NEXUS(本社:長野県長野市、代表取締役:上野敏良)は、全国の商店街が直面する空洞化問題を解消させるための新サービス「商店街リバイタライズ」を開始いたします。スタンフォード大学発祥のデザイン思考を基盤とし、地域の特性に合わせたカスタマイズ可能なワークショップ型プログラムを提供することで、住民協動でローカルビジネスを創出し、衰退している商店街に人の流れを作り出すことを目指します。



■商店街の6割強が衰退の危機、後継者不足の深刻化

空き店舗の増加、後継者不足、ECや大型店との競争・・日本には13,000を超える商店街があるとされていますが、その多くが深刻な危機に直面しています。中小企業庁によると、67.2%の商店街が「衰退している」または「衰退の恐れがある」と回答し、68.8%が来街者数の減少を報告しています。さらに、72.7%の商店街が経営者の高齢化による後継者問題を抱えており、店舗の老朽化や集客力のある店舗の不足も大きな課題となっています。(中小企業庁:令和3年度商店街実態調査)



■「商店街リバイタライズ」アイディアから持続可能な商店街ビジネスへ

この困難な状況を解決するために生まれた「商店街リバイタライズ」は、デザイン思考を活用した商店街活性化のためのワークショップです。アイディアだけではなく、単なる地域活性化の企画立案にとどまらず、実際のビジネス創出につなげる特徴があります。これまで商店街や地域が自己負担で行ってきた活性化の取り組みを、持続可能なビジネスモデルへと進化させることが可能となります。「商店街リバイタライズ」を通じて生まれたプロジェクトは、補助金や助成金の獲得はもちろん、クラウドファンディングや地域金融機関からの融資など、多様な資金調達の可能性を開きます。これにより、商店街の活性化が一過性のイベントやアイディアではなく、継続的な経済活動として地域に根付くことが期待されます。



■長野県松川町の成功事例を全国へ

株式会社U-NEXUSは、2023年12月から3ヶ月間、長野県松川町で(松川町主催の)ワークショップを実施。地元商店街の店主をはじめ、大阪や東京などから、20人が参加し、ユーザー起点からアイディアを形成。結果、現在、3チームが考えた3つのアイディアのうちすでに2つが実装段階に入り、「子育て応援ぷらっとラジオ」の運営や商店街が伴走して行う「起業支援の市民大学」の2つがすでに実装段階に入りました。

「商店街リバイタライズ」サービス特徴
1.人間中心のデザイン思考を基盤としたワークショップ
2.地域の特性に合わせたカスタマイズ可能なプログラム
3.アイデア創出にとどまらない、実際のビジネス創出支援
4.住民協働でのローカルビジネス立ち上げとサポート



■株式会社U-NEXUS 代表取締役 上野敏良コメント

デザイン思考は、人が本来持っている「人の役に立ちたい」という欲求を引き出し、顧客の気持ちになって真のニーズや隠れたニーズを発見し、チームの力で顧客に新たな体験・より良い体験を創り出すための方法です。

デザイン思考紹介ページ
https://www.nextstage-banso.com/



地域に根ざしたローカルビジネスの創出で持続可能な町づくり。

〜 ⻑野県松川町の「あらい商店街」の事例 〜



■概要

令和5年12月から令和6年2月にかけ、あらい商店街が大切にしている「心がつなぐ、心がつながる商店街」をもとに「あらい商店街の人のつながりをデザインする」をテーマとし、ユーザー起点による新たな体験価値を共創するための手法であるデザイン思考を使ったワークショップを開催。参加者は町内はじめ、大阪や東京から、フリーランスや会社員、公務員など20〜50代の20名の多様なメンバーが集結。



■背景

今回の舞台となった長野県松川町の「あらい商店街」では、長年開催されている「あらい祇園祭」においては多くの人出があり、町民の暮らしの楽しみとなっている一方、事業の後継者不足、空き家や空き店舗の増加、商店街を歩く人が少なくなっているという課題を抱えている。そんな中でも何とか活気を取り戻したいと、商店街の有志たちが集まり、町内の若者と協力しながらイベントを開催するなど、商店街活性化に向けた活動を実施していたものの行き詰まりを感じ打開策を模索していたところだった。



■実施内容

初日はデザイン思考の考え方に触れた後、参加者は3チームに分かれ、各チームのテーマを設定し、デザイン思考のプロセスである「共感」「問題定義」「創造」「プロトタイプ」「ユーザーテスト」に基づき、1日約5時間程のメニューを4日間行った。「商店街を取り巻く人々が抱える欲求は、何なのか?」という問いを持って、身近な人やターゲットにあたる人たちへのインタビューや観察を行うなど濃厚な期間を過ごした。そして、課題やキーワードを整理しながら解決に向けたアイデアを形にしてアウトプットし、参加者同士のフィードバックを反映しながら再構築。そんなフローを粘り強く繰り返し、最終的にチームとして1つのアイデアを形成。最終日は商店街の店主たちを前に、参加者は充実した表情でプレゼンテーションを行った。



■生まれた3つのアイデア【現在、実装に向けて準備中】

1.起業支援の市民大学「自己実現のための町づくり」
3年間で企業ができる仕組み、伴走を支援。挑戦したくてもなかなか一歩を踏み出せなかった方の背中を押す事業。

2. HUBでつながるスペース住民も移住者もつながる住みやすい町へ。
ネットを活用し、商店街のコンテンツをストリーミング放送し、松川と都会、多くの方とオンラインでもリアルでもつながる、商店街を目指す。

3.マツカワぷらっとラジオ【現在、進行中】
子育て世代がつながる、移住後の住みやすさ、子育て環境を改善。松川で親子で遊ぶ体験ができる場所づくり。ぷらっと(商店街のスペース)内にラジオ局をつくり、子育て支援活動を行なっていく。人とのつながりを商店街発で創っていく。



■参加者の声

・これなら本当に動き出せそう!と思ったワークショップは初めてでした。
・自分たちから出たアイデアを早く実現させたい。形にしていきたい。
・ファシリテーターの上野さんが、参加者の意見をまずは受け入れ、認め、一緒に考えてくれた。共感が嬉しかった。
・この会場だけでなく、自分の身近な人にインタビューを行うなど、関係人口の多い内容。すごく良い体験ができた。
・プラス思考しかない場所で、毎回楽しく参加できた。
・思考してコミュニケーションを取りながら形にしていくプロセスを、松川町にインストールしていきたい。
・あらい商店街を好きになれそう。



2024.9.14 信濃毎日新聞 記事掲載(経済面)
商店街活性化へ「デザイン思考」のワークショップ開催
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024091400100

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